年金資金GPIFの損失はどこまで耐えうるのか?

日経平均株価が年初から急落していますが、一旦、このような暴落が発生してしまいますと、しばらくの間はもう元の株価に戻ることはないものと思われます。おそらくですが、17,000円以上で含み損になっている人が損切であきらめるまで、3年、4年は資金が戻ってくることはないでしょう。

となると、あとは下に行くだけですが、問題は年金資金のGPIFがどこまで耐えうるのかという点に焦点が集まっていくものと思われます。年金資金は扱っている金額が大きいため、売るにしても買うにしても市場への影響は大きくなります。

なので、含み損がそのまま損失の実態を表しているわけではありません。保有する膨大な量の株を売ろうにしても、買ってくれる人がいなければ、売ることができずに自らの重みで株価が下落していくだけなのです。

例えば、今100株を100円で買ってくれた人がいるとします。けれども、ほかには100株50円でしか買ってくれる人はいません。20円、10円なら買ってもいいよという人はたくさんいますが、それでは大きな損失になってしまうため、売るに売れない状況です。

そのような状況のなか、保有している株数はあと100万株ほどあり、すべて売るには気の遠くなる作業です。もちろん、これはたとえ話ですが、高値掴みになってしまった年金基金を救済しようなどという書い手はまず現れることはないでしょう。

これについては、投資なのである程度の上下は仕方のないことではあります。けれども、去年の株価が高値の状態から買いあがっていったのは無謀としかいいようがありません。アベノミクスの失敗を悟られないよう、株価を維持する目的で年金資金が投機的に投入されたといっても過言ではないのです。

僕のような素人でも、去年の6月の段階で中国市場の株価暴落は予想していましたし、原油安などに伴う世界同時株安も想定しておりましたので、6月中にはすべての持ち株を売却して市場からは退場しております。

ど素人である私が予測できて、なぜGPIFは予測できていなかったのか。もしくは、予測できていたからこそ、外資売り抜けのための助け舟を出したとも考えられますが、いずれにしても年金資金を溶かしてしまったことは確実です。想定されている数字は10兆円とかそこらと予想されているようですが、損切がまだぜんぜん成されていない可能性もありますので、ここから買いあがる主体は皆無といえるでしょう。

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