コンコルド効果で取得したtokyoドメインが手放せない

数年前にtokyoドメインを値上がり期待で購入したのですが、comやnetドメインと比較すると盛り上がりに欠ける面があり、あまり期待できません。

ドメインにつきましては、辞書にのっているようなドメインネームの場合、数億円単位の高額で取引されるケースもあるため、投資目的で購入することも多いのですが、comやnetとは違い、tokyoドメインの場合は盛り上がりや需要に欠けるところがあるようです。

この数十個のドメインの取得費用とこれまでの数年間の維持費用を含めまして、既に10万円ほどのコストがかかっておりますので、ここで手放してしまうと今までの費用が全て無駄になってしまいます。

だからといって、このまま値上がりもあまり期待できない状況で保有し続けると、毎年費用ばかりかかってしまうため、このままでは損失額がさらに増えていってしまいます。

このようなジレンマは、いわゆる「コンコルド効果」といわれており、超音速旅客機コンコルドの商業的な失敗からこのようにいわれております。つまり、このまま続けても損失になることはわかってはいるものの、それまでかけた莫大なお金を無駄にしてしまうことから、やめるにやめられないというジレンマです。

経済学的には「埋没費用(サンク・コスト)」などともいわれていますが、「機会損失」と比べるとネガティブなイメージで使われることが多いです。埋没費用はすでに発生してしまった損失を意味しますが、機会損失の場合は実際の損失は発生してはいないものの、本来は得ることができたであろう利益を逃してしまったという意味になりますので、両者にはまったく違う意味があります。

コンコルド効果の例

このコンコルド効果の例でいいますと、ギャンブルで負けが込んでいるにも関わらず、一発逆転を狙ってやめられないなどといった状況があてはまります。

また、お金だけではなく、費やした時間や肉体的な労力、あるいは精神的な思いなども関係してくるケースがあります。惚れた女性にあれこれ貢いではいるものの、まったく進展がなく、今後も期待できないなどといった状況がこれに当てはまります。

あるいは登山で吹雪に遭ってしまい、下山しなくてはいけないものの、山頂付近まで来ているためにあきらめきれないなどの状況もコンコルド効果の事例といってよいでしょう。

株の世界でいっても、損切りの判断ができなければ、膨大な損失につながってしまうものです。

加えて、実際のビジネスの世界でも、シャープの液晶パネルなどは埋没費用にこだわって転換できなかったことが現在のホンハイによる買収へつながる結果になったのだろうと思います。

これらは言い換えれば、「執着」といってもいいかもしれません。

一方で、あきらめないで続けていてよかったというケースも実際にあるのがやっかいなところですが、ビジネスにおいて経営者としての判断力が問われるところになります。

コンコルド効果に陥った際の打開策

話を戻しまして、すでに数万円を投入してしまい、埋没費用と化してしまったtokyoドメインについて、僕はいったいどうすればよいのでしょうか?

考えられる選択肢は以下の3つがあります。

①あきらめて手放し、これ以上の損失を増やさない
②このまま値上がりするまで継続して保有する
③一旦はあきらめて手放し、需要が発生しだした際にすぐに取得する(棚上げ、凍結)

コンコルド状態になってしまった場合、往々にしてオール・オア・ナッシング的な思考方法に陥りやすいものですが、一旦は距離を置くという③の選択肢があることも考慮に入れるべきだと思います。

いわば、戦略的撤退というものです。

例えば、ギャンブルの例でいえば、一旦は足を洗い、事業で成功してお金に余裕ができてからまた再開しようとか、女性に関しても一旦はアプローチするのをやめ、自分の魅力を高めてから再度アプローチしようというような、前向きな撤退のことを意味します。

また、株式投資でいえば、一旦は損切をして他の銘柄で利益を出してから再度買い集めようという思考方法になります。まったく全てをあきらめてしまうのとは違い、心理的にも受け入れやすく、今までのことも無駄にはならないため、メンタル面でもポジティブに取り組むことができる利点があります。

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