基礎控除の謎─なぜ年間38万円なのか?

先日、源泉徴収票を作成していて思ったのですが、基礎控除はなぜ38万円なのでしょうか?いつも何気なく差し引いている基礎控除ですが、生活に必要最低限な経費として年間38万円は妥当な金額といえるでしょうか?

生活保護はだいたい月16万円程度ですし、実際に生活するには切り詰めても10万円ぐらいは必要ではないかと思います。

そこで所得税法を見てみたのですが、以下のような条文となっています。


(基礎控除)
第八十六条  居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から三十八万円を控除する。


気になるのは「居住者については」という文言ですが、これは住む家があることが前提で書かれているようなのです。つまり、家賃などを考慮に入れないように読み取れますが、食費プラスアルファという部分で年間38万円、月額3万円程度という考えではないかと思われます。

なので、この月3万円強という金額については妥当かもしれません。

米10キロ買ったとしても月3,000円ぐらいで買えますし、月15キロ食べるとしても5,000円ぐらいで済むはずです。おかずを月1万円、水道光熱費で月1万円、月1回映画をみたりして文化的な生活をして3千円、このぐらいでだいたい月3万円程度となるかもしれません。やりくりすれば、衣服なども何とかなりそうな気がします。

おそらく、親族に無職の人がいてその人を扶養するとなった際にも、食費などで最低でもだいたい年間38万円程度はかかるだろうと思います。つまり、住む家がある状態で、人間一人を生かしておくのに必要な最低限の生活費で年間38万円という計算なるのかもしれません。

なので、一般の扶養控除が最低でも38万円があるのは、こういった理由があると考えてもよいでしょう。

これを日本全国、1億2千万人で考えてみますと、日本人が存続していくのに最低限必要なコストは約45兆円の計算になります。これに対して日本のGDPは約600兆円ありますので、かなり豊かな国ということがいえるのかもしれません。

ただ、円安が加速して物価が上がりますと生活コストが上昇します。

現在、米10キロは3,000円程度で購入できますが、これが5,000円、6,000円となり、さらに消費増税で値段があがるとすると年間38万円の計算では成り立たなくなるはずです。ただ、米については自給率が高いですし、おそらくは作ろうと思えば、品質は落ちるかもしれませんが、もっと生産量は上げられるはずです。

現在ではなくなりましたが、以前までは米や小麦の価格を食糧管理制度で国が管理していましたので、例えインフレになったとしても米の価格を安定させることはできると思います。なので、円安でインフレになったとしても、おそらくはこの年間38万円の基礎控除が増えるといったことはない気もします。

もしかすると、基礎控除と米の価格には密接な関係があるのかもしれません。

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