基礎控除の引上げは税制を複雑化させるだけだ

2020年から給与所得控除の引き下げが予定されていますが、同時に基礎控除の引き上げも検討されているため、今後はフリーランスなどの個人事業主にはメリットが出てくる形になりそうです。

基礎控除が10万円引き上げられ、所得税は48万円、住民税は43万円の控除額となりますが、同時に給与所得控除も引き下げられるため、大部分のサラリーマンによっては税金的な影響はありません。

メリットのある人は給与所得控除のない個人事業主がメインになるかと思います。

けれども、10万円を引き上げたぐらいではメリットが少ないものと感じています。給与所得控除は最低でも65万円分ありますので、最低でも65万円ぐらいないと微々たるものです。

もしこれをやるとするのなら、高額所得者の給与所得控除を大幅に減額し、個人事業主の青色申告控除を増額する形にした方がぜんぜんよかったと思います。

今まで給与所得控除は最低でも65万円あるというのが定説でした。

給与所得控除の65万円と基礎控除の38万円で103万円の壁と丸暗記していた人が多かったと思います。それが給与所得控除55万円と基礎控除48万円になり、さらに消費税率が8%から10%へ変更され、配偶者控除なども変更されるわけです。

さらに、一律で基礎控除が10万円引き上げられるわけではなく、合計所得金額が2,500万円以上の場合は基礎控除がなしとなるなど例外が設定されています。

税制をごちゃごちゃにこねくり回した上で、わけのわからない状態にしてしまっているものと思います。ふるさと納税の制度もそうですが、税制がコロコロと変わることで、かえって納税者の手続きを煩雑化させているような気がしてなりません。

頭でっかちな役人が考えそうなことですが、実際に対応する納税者への配慮を欠いた税制改革ではないかと感じています。

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