天皇陛下がお気持ちを表明

天皇陛下のお気持ち表明のビデオメッセージを見てみましたが、国民とともに寄り添って生きるという点に、これまで全身全霊をもってお努めされてきたのだなということが強く伝わる内容だったと思います。

特に、昭和天皇の崩御時のことにも触れられており、日本国全体が過度な自粛ムードとなることはできるだけ避けたいというお気持ちが表明されておりました。そのような懸念から、今回の生前退位というお話が出てきたのだろうと思われます。

ただ、ぼく個人の考えとしては、崩御やその後一連の自粛ムードなども併せて伝統なのではないかと考えています。昭和天皇のときもそうでしたが、世界各国から要人が集結しての大喪の礼やその後一連の自粛期間は、天皇の権威を確認するための重要な意味を持っていると思うのです。

一方で、日本国民としては自粛は当然と考えていても、今上天皇はそのような過度な自粛による国民の負担になることは避けたいとお考えになっているのかもしれません。

特に、4年後には東京オリンピックも控えています。今回もリオ・オリンピック期間中ではありますが、陛下がお気持ちを表明するだけでオリンピックどころではなくなってしまいました。

今後、数年の間に万一の事態となった場合、当然、東京五輪は返上しなくてはいけませんが、政府にその覚悟はあるのでしょうか?

また、もし代替候補地がなかった場合、4年に1度の祭典が中止になってしまうかもしれません。結果として、不本意ながら、世界中の人々の楽しみを奪う形になってしまう事態となる可能性も否定できません。

そのような事態になった場合、なかにはここぞとばかりに批判してくる国もあるでしょうし、皇太子殿下と皇室の負担も大きくなってしまうはずです。このあたりのご心労について、政府は憲法関連の話のみに終始しており、よく理解していないのではないかという気がしております。

この時期にお気持ちを表明されたのは、広島の8月8日ということもあるかと思いますが、オリンピック期間中だからこそ、表明されたのではないかと僕は考えております。

もちろん、今上天皇には90歳、100歳と長生きされることを願ってはおりますが、皇太子殿下が皇位を継承される際には高齢となってしまい、公務に支障が出てきてしまうのではないかという別の問題も出てきてしまいます。

このままではご心労も絶えないかと思いますので、東京オリンピック前の平成30年あたりをめどに、皇太子殿下へ譲位されるのが一番よいのではないかと思います。

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