ポケモンGOはいくら稼いでいるのか?

世界的な大ヒットとなったポケモンGOですが、任天堂の株価が急騰したりと収益に関しても注目が集まっています。任天堂の時価総額でいえば、7月7日の時点では終値14,395円、発行株数141,669千株で約2兆円程度だったかと思います。これが7月19日には一時32,700円の年初来高値を付け、この時点で約4兆6,300億円となりました。

ポケモンGOの大ヒットにより、任天堂の株価は短期間のうちに倍増し、時価総額でいえば2兆6,000億円程度も増えた計算になります。

けれども、果たしてそれほどの収益が見込めるのかという点では疑問があります。

とある調査会社によると、8月末時点でのダウンロード数が約1,700万といわれており、このうちアクティブユーザー数が400万人程度とみられています。このうち、課金して遊ぶユーザーがどの程度の割合なのかは不明ですが、私の周囲の友人、知人を独自に調査した結果では、約3人に1人ぐらいの割合ではないかと思います。

特に女性の場合、「どうやってアイテムを購入するの?」などと聞かれたりもするわけですが、そもそもアップルIDとクレジットカードを紐づけして課金する方法がわからない人もけっこういます。また、高校生や中学生もクレジットカードは持っていないでしょうから、無料の範囲内で遊ぶ人もけっこう多いのではないかと思います。

ただ、無料で遊ぶともなれば、ポケモン捕獲に必須のボールがすぐに玉切れになってしまいますし、遊ぶ上での制限が何かとありますので、若年層はすぐに離脱してしまうケースが多いのではないかという気がします。結果として、ある程度はお金に余裕があり、なおかつスマホの課金操作にも抵抗のない、30代から40代の利用者がアクティブユーザーのコア層になっているのではないかとぼくは考えてます。

なので、課金ユーザーを多く見積もってもせいぜい200万人から300万人の間ではないかと僕は見ていますが、たいていは月数千円の課金範囲内で遊ぶケースが多いのではないでしょうか。毎月1万円を使う人はほとんどいないものと思います。

また、他のスマホゲームでは一時期、社会問題となっていたガチャと呼ばれる数十万円単位での高額な課金設定はないため、健全なゲーム性ではあるものの、一人あたりの収益力はそれほど高くはないものと思います。

仮に、累計で1人1万円とした場合でも、せいぜい200億円から300億円程度の売上が妥当な金額ではないかと僕はみています。加えて、ゲームの開発会社自体はアメリカの企業ですので、そのような事情を考えると、一時的とはいえ、任天堂の時価総額が2兆6,000億円も増えたのはかなりな過熱感があるものと僕はみてます。

また、ゲーム内容に関する問題として、いわゆるGPSの位置偽装で1部のユーザーがジムを独占してしまうケースなども発生しており、真面目な一般ユーザーがしらけムードになりつつある事態も発生しています。運営側も不正に対する対処はしていますが、かなり不十分な内容となっており、コアな課金ユーザーがゲームから離脱するケースが増加している傾向にあります。

この不正問題をクリアできなければ、おそらくは短期間でブームは終焉してしまうでしょうけれども、仮に長く続いたとしても、せいぜい1,000億円程度の売上が限界なのではないかという気がしています。

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