東京五輪エンブレムの模倣疑惑問題

先日、デザイナーの佐野氏による五輪エンブレムが発表されました。けれども、サントリーのトートバックなどこれまでの佐野氏の作品にトレースしたものが多数見つかっており、サントリー側がデザインを取り下げる事態になってます。

このような状況のなか、東京五輪エンブレムについても模倣の疑惑がもちあがっているわけですが、IOCはこちらについては問題ないとの見解を示しており、今後も問題が長引いていくだろうと予測されております。

けれども、デザインというのはそもそもオリジナルかどうななどは判断のしようがありません。有名デザイナーでもパクっているわけですから、世間一般のデザイナーなどはほとんどがパクっているケースが当たり前の状態です。

私も以前、ウェブデザインについて、20万円程度でしたが業者に依頼したことがありました。
いくつか提案を受け、そのなかから選ぶことにしたのですが、デザインはもとより、使用されている素材などもほとんどが他人のサイトからパクってきたものだったので、何回もオリジナルのものを使ってほしいと要望したことがあったのです。

ひどいのになると、キャプチャー画像から素材の箇所だけを切り取り、それをpng画像で保存したりしていたりされていましたので、ジャギーが荒かったり、拡大すると汚れている箇所が出てきたりするのです。また、大き目の素材の場合、ネット上で画像検索するとまったく同一の素材が出てくることもあります。

けれども、このようなことはある程度の知識がないと、オリジナルかどうかなどの見分けはまったく気付きません。それをいいことに、パクリまくってお金だけもらえればよいというのがごく一般的なデザイナーなのです。
「パクっているのはごく1部の人だけじゃないの?」という認識の人が多いですが、実際でいえばまったく逆で、オリジナルで勝負しているのはごく1部の人だけというのが実態といえます。

大企業のサントリーでさえ、佐野氏のトレースによる盗用に気が付く人はいませんでした。中小企業ならなおさら気づくはずがなく、個人で気付く人はほぼ皆無です。

これはデザインだけではなく、小保方氏の論文の画像などもそうでした。世界的な権威のあるネーチャー論文レベルでもパクってなんぼというのが現在のデファクトスタンダードになってきております。

なので、高いお金を出してデザインなどを依頼するのは正直、ばかげた話です。この点に気付いてから、それ以来、ぼくは友人にデザインを依頼するようにしております。友人なら制作過程を気軽に見せてもらうこともできますし、パクリ疑惑があっても腹をわって話をすることができるからです。

結局のところ、何かを依頼するにしてもその筋に関する最低限の知識をもってなければ、ぼったくられるということです。それならば、パクリの可能性があったとしても、最初から著作権のあるデザインを安く買い取った方がよいと思います。

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